「野菜を食べる理由」それはなんだろうか?一言でいえば、「美と健康のため」ではないだろうか?
野菜には、私たちの体の健康を保つための栄養と、体の美しさを保つための栄養がたくさん含まれている。①ビタミン類・ポリフェノールやカロチノイドなどの抗酸化物質は、細胞の老化を防止する効果がある。②「トマトが赤くなると、医者が青くなる」のことわざの意味するところは、栄養価の高いトマトを食べると、トマトに含まれているリコピンなどが体に作用して、風邪の予防につながるからだろう。③また、野菜からとれる食物センイが腸内細菌を活性化し、血液やリンパの流れをよくし、免疫力を高めるということもわかってきている。
わたしたちは現在ほど、野菜の栄養について、くわしく調べられていなかった時代から、野菜の栄養に注目して、積極的に、おいしくいただいてきた。ところが今、野菜に異変が起きている。それは野菜を食べる理由ともいえる野菜の栄養価が昔よりも、ずいぶん減ってしまっているのである。
1960年頃の野菜の栄養価と、現在2010年頃の栄養価を比べてみると、現在の野菜は昔の野菜に比べたらビタミンやミネラルなどの栄養価が半分くらいになってしまっている。
原因について、さまざまなことが言われている。①測定の仕方が、今と昔とでは違うとか。②旬がなくなり、旬でないとき、つまりその作物にとって適期でない時期に栽培されているから栄養価が上らないとか。③品種改良によって、現在の品種が病気に強いが、栄養価は低いとか。さまざまな原因が考えられる。
栄養価が低くなった理由として、一番大きな理由は、④化学肥料の普及で、堆肥を使わなくなったこと。または、堆肥の質が悪くなったことにあるのではないかと考えられる。